やさしい版:AIに勉強させるために本をコピーするのは、ずるいのか
AIを作る会社は「AIが勉強するのは人が本を読むのと同じ」と言ってきました。アメリカの裁判所はそれを認めませんでした。何が問題にされたのかを、専門用語を使わずに書いています。
アメリカの裁判所が、ある会社の訴えを認めました。「AIに勉強させるために、うちの資料を勝手にコピーしたのはいけない」という訴えです。訴えたのは、法律の情報をあつかう大きな会社、トムソン・ロイターです。
「フェアユース」というきまり
アメリカには「フェアユース」という考え方があります。研究や批評のためなら、作った人の許可をとらなくても使っていい、というきまりです。
AIを作っている会社は、ずっとこう言ってきました。
「AIが勉強するのは、人が本を読んで勉強するのと同じです」
人は図書館で本を読んで、かしこくなります。だれも「許可を取れ」とは言いません。だからAIも同じではないか、というわけです。
裁判所は、みとめなかった
今回、裁判所はその言い分を認めませんでした。
大事なのは、何が問題にされたかです。「AIが作ったものが、元の作品に似ているかどうか」ではありませんでした。問題にされたのは、勉強させるために資料をコピーして、教材の束を作ったことのほうです。
図書館で本を読むのは自由です。でも、図書館の本を全部コピーして、自分用の教科書を作って持ち帰ったら、話は変わりますよね。そこが問われました。
音楽の団体も、応援していた
この裁判を、アメリカの音楽の団体が応援していました。CDや配信の権利をあつかう団体と、曲そのものの権利をあつかう団体の、両方です。
同じ理屈が、音楽にも使えるからだと考えられます。
ただし、これで決まったわけではない
アメリカの裁判は、ひとつひとつの事情を見て決まります。今回の結果が、すべてのAIにそのまま当てはまるとはかぎりません。
それでも、「AIの勉強なら、いつでも自由」というのが当たり前ではなくなりました。曲や絵を作る人にとっては、意味のある変化です。
この記事は、専門用語を使わずに書いたものです。くわしい内容はもとの記事にあります。
出典: Music Business Worldwide「US appeals court rejects ‘fair use’ defense over AI training – as Thomson Reuters wins copyright case backed by RIAA and NMPA」