生成AIの関与度を6段階で開示する枠組み「REAL Rating」、arXivで提案
「人間製かAI製か」の二択ではなく、AIの関与度をレベル0〜5で示す開示の枠組みが論文で提案されました。制作過程だけでなく利用体験でのAI関与も対象にしています。
研究者が査読前の論文を公開するサイト「arXiv(アーカイブ)」に、生成AIがどの程度関わったかを段階的に示す開示の枠組み「REAL Rating(Reported Engagement with AI Level)」を提案する論文が投稿されました。
二択の表示では差が伝わらない
著者らによると、コンテンツの来歴(出どころや制作過程の記録)に関する現行の基準や開示方法の多くは、二つのどちらかに偏っています。人間が作ったものとAIが生成したものを二択で分けるか、電子透かし(データに埋め込む識別情報)に頼るかです。後者は技術的には機能しても、受け手が見て理解できる形にはなりにくいと指摘しています。AIを補助的に使うのか、成果物の大半を生成させるのかで、リスクも結果も変わります。その違いを伝えられる仕組みが必要だというのが論文の出発点です。
「作る側」と「使う側」の両方を6段階で
REAL Ratingは、レベル0から5までの6段階でAIの関与の程度を開示します。対象は制作過程に限りません。利用者が製品を体験する場面でAIがどれだけ関わるかも含めている点が特徴です。論文では評価の構造的な方法論を説明したうえで、テキスト、画像、音声、映像、ソフトウェアへの具体的な適用方法を示しているとしています。各レベルの具体的な定義は、今回参照した概要には書かれていません。
なお、これは研究者による提案です。業界団体や企業が採用したという情報は、概要からは確認できません。それでも、開示の議論が「使ったか否か」から「どの程度使ったか」へ細かくなりつつあることを示す一例とは言えそうです。下書きや仕上げの一部にAIを使った作り手が「AI生成」と一括りにされる問題に対して、関与の度合いを説明する手段になる可能性があります(編集部の推測)。
この記事には、専門用語を使わずに書いたやさしい版もあります。
出典: arXiv:2610.04021v1「The Reported Engagement with AI Level (REAL) Rating: A Framework for Disclosing Human-AI Collaboration」